こんにちは、みみたまボーイです。
言語の壁に悩まされながらも、何とかアメリカで仕事をすること、はや4年。
酸いも甘いもありました。
今回は、アメリカで働いていて一番しんどかった&身の危険を感じた現地社員とのトラブルについて書いてみたいと思います。
私の部下のひとりが、私に対してブチ切れてきた話です。
今、思い出してもシンドイ(笑)
この一件は、私の中に消える事のない恐怖を植え付けると共に「人の採用って重要なんだな」と実感させてもらう良い勉強の機会となりました。
この失敗談が、アメリカ人の部下を抱えるあなたの参考になれば嬉しいです。
では、いってみましょう。
私の管轄する組織の構成員
みみたまボーイは、とある会社のアメリカ駐在員としてオレゴンの工場に勤務しています。
部下4名の小さなチームのマネージャー。
私を除いて、全員現地アメリカ人というのがチームの構成です。
今回の記事では以下の表記で話を進めていこうと思います。
- みみたまボーイ(マネージャー)
- ジョナサン(仮):係長
- ジェームス(仮):チーム員
- マーク(仮):チーム員
- ベン(仮):チーム員(キレた人)
現地社員とのトラブルの概要
それでは、私のチームで発生したトラブルを時系列で見ていきましょう。
- 発端となるジェームスの離職
- 引継ぎ時のマークの有休
- ベンがキレだす
- ついにベンがブチ切れる
- ベンが急に静まる
- 対策を練る
- そして、翌日…
みみたまボーイのチームで発生したトラブルを時系列で解説していきます。
発端となるジェームスの離職
ある時、私が赴任した時から働いていたジェームスが一身上の都合で辞める事に。
ジェームスは完全に円満退社。
去り行く時も抱き合いながらの別れ。
今でも友だち
しかし、ここで発生したジェームスの仕事の引継ぎが全ての始まりだった事に、この時はまだ気付かず。
引継ぎ期間にマークが休みまくる
去り行くジェームスの仕事をマークとベンに引き継がせる事にしたんです。
2種類ある仕事の、ひとつをマークが、もうひとつをベンが引き継ぐべく、引継ぎをスタート。
アメリカあるあるですが、離職が決まってから引継ぎに当てれる期間が少ないんですよね。
引継ぎ期間、たったの2週間
しかし、運悪く、マークはこの期間、毎日定時より2時間半ほど早く帰宅すべく休暇申請をしていました。
マークはジェームスの離職判明前に、申請しており、承認済。
ただ、ジェームス離職という緊急事態の為、ジェームス、マークの双方と話して、早退しても引継ぎを完了できるか確認。
「問題なく引継ぎ可能」という事で、当初の予定通りマークは毎日早退する事になりました。
ベンがキレだす
マークの早退が始まって3日後、ベンが私の部屋に来るではありませんか。
マーク、なんで早退してんの?
かくかく、しかじか…
ベンはマークが早退している事が気に入らないようでした。この時、彼の主張は2点。
- ジェームスが抜け、大変な時期に、早退するのはどうなのか。
- 引継ぎ期間が2週間しかないのに、なぜ早退を認めているのか。
しかし、フェアに仕事を振り分けたつもりですし、マークが早退する事により、ベンの仕事の負荷が増えているわけではありません。
そんなわけで、「マークは認められた制度の中で休暇を使っているだけ。必要な引継ぎもこなせるので、早退を認めている。」と、伝える。
別に早退しても問題ない
…
その場は引き下がったものの、納得してなかったようです。
ついにベンがブチ切れる
マークが早退し始めてから一週間が経過。
マークは予定通り、早退を続けています。
そして、どんどん機嫌が悪くなるベン。
一週間ほど経過した頃、ついにベンがキレる。
いつまで早退させるんだ!
いや、先週話したやん
フェアに扱え!
お前に影響ないやん
俺が同じことしてもいいんか!
制度の範囲内で、仕事に影響しないならいいよ!
部屋で怒声をまき散らしながらキレるベン。
私、正直なところ、怒っているポイントが全くわからず。
こっちもキレそうでしたが、とりあえず淡々と対応した結果、ベンは相当不機嫌な様子で、席に座って仕事を再開。
マジギレしてた…
相当怒っていたので、私が理解できていないアメリカ特有の怒りポイントがあるのか、係長であるジョナサンに聞いてみたんです。
あいつ何で怒ってんの?
俺なんか間違ってるかな?
俺も怒ってる理由は、全然わからん!
現地アメリカ人でも理解できない何らかの理由で、相当怒っていたようです。
ベンが急に静まる
ベンがブチ切れたのが午後3時頃。
それからずっと不機嫌だったベンですが、4時半頃、急に落ちつきを取り戻し、5時に帰宅していきました。
しかし、それを見ていた係長のジョナサンがやってくるではありませんか。
あの雰囲気の変化は危険だ
どうやら、何か吹っ切れたような、変な落ち着き方だったようです。
怖い感じ。
そんな話をジョナサンとしているところに、ちょうど工場長がやってきました。工場長に話すと、
それはヤベーな
工場長が言うには「9割9分大丈夫だろうが、ここはアメリカ。ベンが何かに吹っ切れていた場合、明日の朝、銃乱射など不測の事態が発生しないとは言えない。」
お前、撃たれるかもよ
えーーーーーーー!?
怖すぎだろ!
なお、この時点で私とジョナサンから、ベンとのやり取りについて工場長に話すも、工場長もベンの怒りのポイントはわからず。
対策を練る
そこから、工場長と翌朝の対策を練る事に。
ベンはいつも裏口から入ってくる。
しかし、裏口から場内へのフリーアクセスは危険。
ベンの入門カードを、一旦使えなくして、確実に正門を通らせることに。
アクセスを限定しろ!
そして、正門に工場長が偶然いたフリをして、そのままベンの様子を伺い、昨今の不満について話を聞く作戦に決定。
俺はActive Shooter Response Trainingを受けてるから、心配するな!
心配しかない!
そして、翌日…
裏口から入れなかったベンが、予定通り正門から入ってきた。
そして、それを迎え撃つ工場長。
二人でミーティングルームに入っていきました。
私は、自分の部屋で戦々恐々としながら、仕事をしていた。
超怖かった
その日、出社したのが正解だったのかは、いまだにわかりません。
死にたくないし
しばらくすると、ベンがみみたまボーイの部屋にやってきて「俺の態度はプロフェッショナルではなかった。すまなかった。」と謝ってきました。
工場長とも話して、すっきりしたようです。
セーフ…
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アメリカ駐在最大の恐怖から学ぶ
何とか最悪の事態を免れたのですが、なぜキレていたのか謎のままでは今後に繋がりません。
そんなわけで、ベンがキレた原因を探ってみたところ、「マークがたまに遅刻している事に、元々少し不満を持っていて、さらに重要局面で早退しはじめたのでキレた」という説が濃厚。
そこか~
小さな事でもしっかり指摘すべき
じつはマークがたまに遅刻しているのは、私、知っていました。
とはいえ、遅刻と言っても稀に5分程度だったので、「まあ、いいか」と流した時もあったのですが、そこは甘く見ず、毎回キッチリ指摘・対応すべきだった。
アメリカはフェアである事を重んじる文化ですし、気を付けないといけなかった。
反省!
「小さい不満の積み重ねが、その内に爆発を生む」というのを身をもって学んだ瞬間でした。
これはアメリカだから…という訳では無く、どんな国でも不変で、ちゃんとやらないといけない事なんでしょう。
部下とは頻繁にコミュニケーションする
また、「部下ともっと日頃からコミュニケーションを取っておくべきだった」とも思います。
One on One meetingなど、英語で喋るのが面倒でちょっとサボったりしていました。
そういう甘さを捨て、言葉が完全には通じないからこそ、より一層コミュニケーションしないといけなかったと反省しています。
やはり相手の懐に入って行って、お互いに腹を割って話せる関係を構築しておかないといけませんね。
これは、自分が「海外駐在員として甘えを捨てて本気で仕事に取り組めてなかった」と反省。
それ以降、甘えを捨て、しっかりと現地社員とのコミュニケーションを図るようにしています。
その時に読んだ本が、駐在員の心構えとして、とても参考になったので載せておきます。
この本に書いてある”愚直に「人」に向き合えば、結果は後からついてきた”という言葉に代表されるように、海外だろうが日本だろうが、根幹は人と人とのつながり何だろうと思います。
人の採用は非常に重要
今回のトラブルから学ぶところはたくさんありました。
自分自身の反省点も多くあったと思います。
ただ、「ベン、キレ過ぎじゃね?」という気持ちも正直あります。
じつはベンは、その後も、勤務中に急に不機嫌になったり、なんなら朝から不機嫌で挨拶もしないなど、やや問題児でした。
私に対してだけなら、まだ良いのですが、現地アメリカ人からも「あいつとは仕事しにくい」と言われる始末。
彼の態度はどんどんエスカレートして、チームのみならず、工場全体の雰囲気が悪くなる。
結局、最後は人事チームと相談して、業務改善命令→改善しないので退職勧告をすることになりました。
そんなわけで、今になって思うと、私の最大の失敗と言うか反省点は「ベンを採用した事」だったと思います。
じつはベンを採用する時、猫の手も借りたいくらい忙しく、また任せる仕事は非常に簡単だったので…
誰でもいいか
と安易に考えていたのは間違いありません。
採用の重要さに気付いていなかった。
採用面接での受け答えは全うで、当然ですが採用面接時の態度は普通だったので見抜けなかったんですよね。
ただ、思い返せば、一緒に面接をしたジェームスは「言い回しが気になる」と少し懸念を示していました。
ジェームスの意見をもっと聞くべきだった!
「言い回し」とか「ニュアンス」とかになると、さすがにネイティブじゃない私には判別つきません。
そんなわけで、私はこれ以降の面接では、現地アメリカ人を必ず面接に同席させ、「言い回し」とか「ニュアンス」とかに違和感がないか確認するようにしています。
採用の大切さを身に染みて実感したトラブルでした。
採用は、マジで大切!
まとめ
今回はアメリカ人の部下がブチ切れてきた話と、そこからの学びについて書いてみました。
どの国で働くにしても、フェアな精神でキッチリした対応が必要。
そして、採用の大切さを命を危険にさらしながら、再認識しました。
あなたが同じような生命の危機にさらされないことを、心から祈っています。
では、また。
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