こんにちは、みみたまボーイです。
海外駐在生活も、はや8年。
これまで何人も新たに赴任してくる駐在員を見てきました。
そして、つい最近も新たにアメリカ赴任となった人を迎えたのですが、彼は今、相当英語に苦労しています。
やはり誰しも最初は言語の壁にぶつかりますね。
私も当然ながら赴任当初は英語の壁にぶつかり、悩んだものです。
そして、つい先日、そんな彼から「海外赴任して1年後で、どれくらい喋れてました?」と質問がありました。
なかなか英語力が伸びなくて不安なんでしょうね。
そんなわけで、今回は「私が赴任後1年でどれくらいの英語力だったのか」、そして、「多くの駐在員が赴任後1年でどれくらいまで英語が伸びているのか」を、率直に書いてみました。
では、いってみましょう。
海外赴任1年で英語は喋れるようにならない
いきなり結論を書いてしまいますが、多くの駐在員はアメリカに1年いたくらいでは英語を喋れるようにはなりません。
もちろん、全く喋れないということはありません。
多くの駐在員の英語力は、「赴任後1年で仕事は支障なくこなせるレベル」には達するでしょう。
ただ、ペラペラかと言われるとそういうわけではありません。
仕事をするのは問題ないが、しっかり聞き取れているわけでは全然なく、休憩室で現地人が会話している内容とかは、ほぼ聞き取れない。
多くの人は、そんな感じでしょう。
ただ、仕事はこなせるレベルですから、駐在員としての役割は全うできており、何ら問題があるわけではない。
赴任後1年での英語力
では、赴任後1年でどれくらいの英語力になっているのかを、実例をもとに見ていきましょう。
私は全くもってTOEIC信者では無いのですが、点数化した方が分かりやすいでしょうから、TOEICの点数で解説します。
私の部下で赴任後1年のタイミングでTOEICを受けた人がいます。
赴任前のTOEICの点数は600点台と、まあ、鼻くそみたいな点数です。
そして、アメリカ赴任後1年で受けたTOEICの点数は900点に少し届かない程度の点数でした。
「おぉ、900点!すごい!」と言いたいわけではありません。
この部下、アメリカで何とかギリギリ仕事ができてるレベルで、まだまだ会議でも聞き取れない事が多く、言いたいことの30%くらいしか伝わってない。
ただ、彼が一般の駐在員の英語力から大きく劣っているとは思えません。
どちらかというと、「駐在員の平均的な英語力」に近い気がします。
そんな実力で900点です。
そんなわけで、アメリカ赴任後1年でTOEICなら900点くらいの点数は取れるでしょうが、現実的にアメリカ人と対等に議論できる英語力が身に付くかとうと、全くそんな事はありません。
ちなみに私は海外赴任前にTOEICを受けて、確か810点で意気揚々と海外赴任したものの、アメリカ現地で全く喋れず自信喪失。
そこから、何とか這い上がってきた感じです。
私は赴任後1年でTOEICを受けた事は無いのですが、赴任前よりは数段上の英語力だったので900点くらいは取れてたと思います。
ただ、赴任1年で臨んだ、とある社内会議で、ネイティブアメリカ人の話している内容がマジで20%ほどしか聞き取れず、ショックを受けた事を明確に覚えています。
もう、帰国したかった…
つまり、私も赴任1年程度ではネイティブアメリカ人とガチンコで議論ができるような英語力には全く到達していませんでした。
英語力は赴任後1年で頭打ちになる
多くの駐在員は、赴任後1年くらいで英語力の向上が見られなくなります。
まだまだ英語力に改善の余地があるにも関わらず、なぜ駐在員の英語力は赴任後1年で頭打ちになるのでしょうか?
それは、そのレベルの英語力で仕事や日常生活がこなせてしまうからです。
何とかなってるし、もういいか
そんな気持ちになるんです。
駐在期間なんて4年とかですからね。
1年目で現地での仕事のコツと、ある程度こなしていける自信さえつけば、それ以降は勉強なんてしません。
人間そんなもんだ
それはそれでいいと思いますし、実際、多くの人がそんな感じです。
1年後も英語が伸びる人の特徴
多くの駐在員が赴任後1年程度で英語力の向上が見られなくなる中、一部、継続して英語が上達する人もいます。
私の肌感覚だと、全駐在員の5~10%でしょうか。
では、どういう人が伸びるのかというと、「チャレンジ精神旺盛な負けず嫌いの人」です。
上述したように、1年程度では現地アメリカ人とガチンコで議論できるほどの英語力は身に付きません。
ここで、「何とか伝わってるからいいか…」で終わる人と、「くそー、もっと喋れるようになってやる」と思う人の2極化がおきます。
多くの人は「まあ、いいか」で終わるのですが、極まれに負けず嫌いなレアキャラが出現します。
私の経験からすると1年後以降も勉強し続けている人は、2年くらい経つと明らかに1年目で頭打ちになっている人との差が出てきます。
間違いなく、駐在員仲間の中でも一目置かれる存在になりますね。
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いつまでも英語が喋れないと途中帰任
赴任後1年で業務に支障のないくらいの英語力になっていれば、ペラペラじゃなくても途中帰任にはならないでしょう。
しかし、赴任後1年の段階で、まだ現地社員との意思疎通がスムーズに行えない場合、途中帰任を言い渡される可能性があります。
ただ、自分で自分の英語力を評価すると正常性バイアスがかかるので、注意が必要です。
まあ、何とかいけてるかな…
いや、全然でしょ
私の部下に赴任1年の男がいるのですが、本人は「コミュニケーションは何とかなるようになってきました」と言っているのですが、私を含む周りの評価は「全然、英語話せてないなー」です。
客観的にフェアに自分の英語力を見る力が必要!
と、言いつつ、「それができる能力があれば、英語も話せるようになっている」と身も蓋も無い事を言う、私の上司…。
私が思うに、自分の英語力が十分かどうか判断するには、「自分の関連業務で会議を仕切れる自信があるか」を一つの指標にしてみるといいと思います。
あまり自分の仕事と関係ない分野で会議を仕切るのは無理でしょうが、1年も駐在してれば自分の専門分野で会議を仕切るくらいの英語力は保持していてほしいものです。
もし、1年経って会議も仕切れないくらいの英語力だと、会社としては途中帰任のタイミングを考えることになります。
海外は無理だったか…
ちなみに、1年経っても英語力があまり伸びていない私の部下も、今、水面下で帰任の話がでていたりします。
厳しいですが、仕事なので、まあしゃーない。
英語の習得に必要な期間と勉強法
海外駐在1年程度では、英語を習得できないという現実はあるとして、じゃあ、そつなく英語でのコミュニケーションが取れるようになるには、どれくらいの期間が必要でしょうか?
ペラペラまでは2~3年(2000時間)は必要
私の経験からすると、英語での意思疎通でストレスを感じなくなるまで、しっかり勉強した人でも2年~3年必要です。
駐在期間1年を経て、そこから更に勉強した人の場合、おおよそ駐在期間が2年~3年になるタイミングで明らかに周りの駐在員とは一線を画した英語力になります。
これは我々が日本語を習得した時のことを考えると、わかりやすいと思います。
と、言うのも、日本人に生まれて、日本語をそれなりのレベルで話し始めるのが6年だと言われています。
それまでに日本語を聞いたり、話したりした時間を考えてみると、1日のうち半分は起きているとして、12時間×365日×6=約26,000時間です。
途方もない時間をかけて、それなりの日本語を喋り始めているわけです。
日本語だろうが、英語だろうが、言語という意味では同じなので、我々がイチから英語を学ぶとしても同じくらいの時間がかかります。
ただ、言語というものが何なのかを知っている状態で学んでいますので、もちろん英語を習得するのに26,000時間必要とは思いません。
とはいえ、10分の1の「2,000~3,000時間は必要」だと言われています。
英語話者が日本語を習得するためには2,200時間が必要とされており、最も習得が難しい言語に分類されています。
アメリカ国務省付属機関FSIの調査より
毎日1.5時間の英語学習を45か月続けると、ちょうど2000時間です。
ほぼ4年!
とはいえ、我々、日本人は中学校(最近は小学校)から英語を学んでいるので、海外赴任になってから丸4年はかかりません。
ベースができてるからね!
それでも、実戦経験は少ない人が多いので、1年を越えても精力的に勉強を続けている人で2年~3年で違いが現れてくるというのは妥当でしょう。
2,000時間と言うと、途方もない数字に思えますが、ベースはできているとすると、駐在期間で本当に必要なのは1,000~1,500時間程度でしょう。
そう考えてみると、1日1時間を3年、1日2時間なら1年半もあれば達成できる数字です。
なんかできそう!
本の題名は忘れてしまいましたが、私が昔読んだ本にこんな事が書いてありました。
1日1時間を自分のなすべき事の為に確保できない人はいない。確保できないのは、ただやる気がないだけだ。
どっかで読んだ本より
厳しいな~
なかなかスパルタな感じはしますが、確かに、どんなに忙しくても毎日1時間を捻出できない人はいないでしょう。
私は何故かこの言葉が心に残っていて、英語に限らず、何か継続してやらないといけない事があると、いつも思い出し、気持ちを奮い立たせています。
自主学習ならシャドーイング
海外駐在員の利点として、働いている間も、何だかんだで英語の勉強になっています。
とはいえ、英語力が頭打ちになった段階で、聞き流す技術を身に付け、会議とかで流し聴きしていては英語は伸びていきません。
つまらない会議、自分があまり発言する機会のない会議などでは、ネイティブアメリカ人が喋っている内容をシャドーイングするなどして勉強にあてましょう。
「シャドーイング(Shadowing)」は、英語を聞きながらそれを真似して発音する通訳訓練法のことです。
英文を聞き終えてから繰り返す「リピート」では無く、シャドーイングは、聞こえてくる英文のすぐ後ろを影(shadow)のように追いかけるのがポイント。
ネイティブの喋りをスピード含めて真似する事で、自然と音の脱着などが身に付くので、おすすめです。
スピーキングの練習と感じるかもしれませんが、じつはリスニングの訓練としても最適。
なぜなら…
発音できる音は聞き取れる
逆に、発音できない音は聞き取れないですからね。
スクリプトを見ながら聞き取れたつもりになっても、自分が発音できない音はネイティブとの会話の中で瞬時に判別できません。
シャドーイングをすると、英語特有の音の脱着(リンキングやリダクション)も身に付くので、リスニングのトレーニングにもなるという事です。
ちなみに、私、今でもシャドーイングはしています。
というよりは、もう癖のようになってしまっていて、Youtubeなどで英語を聞いてたら、ついついシャドーイングしている感じです。
慣れだな
例えば、このチャンネルとかで日本とアメリカの違いを聞きながらシャドーイングしたり。
他には日本の有名経営者の英語のスピーチとか、スピードも遅くてシャドーイングしやすいですね。
本当は自分がシャドーイングした後、発音などを訂正してくれるフィードバックがあると一番良いのですが、生の会議でそこまでは無理ですね。
もし、本格的にシャドーイングをしたければ、フィードバックをくれるシャドーイングのアプリがあるので、興味がある人はぜひ使ってみてください。
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会話力アップならオンライン英会話
喋ってナンボの駐在員にとって、一番有効な英語の学習方法は、何といっても「オンライン英会話」。
実践が一番!
しかし、これまで見てきたように、英語習得には、どうしても物理的な時間が必要となります。
1日1時間で2~3年だからな…
既に気付いていると思いますが、よくあるオンライン英会話の週一回1時間とかだと物理的な絶対量が全然足りません。
そのペースで1,000時間に達するの、20年後ですからね。
駐在期間終わってる…
会社員生活すら終わりかけ(笑)!
そんなわけで、オンライン英会話をするにしても、基本的に毎日レッスンを受ける必要があります。
キツイな~
ここは、やるしかない
本気なら選ぶべきオンライン英会話は1択
私が初めて海外赴任した10年前と比べて、オンライン英会話の環境も非常に充実してきて、今では海外にいようが、全く問題なくオンライン英会話を受講する事ができます。
マジで凄い!
逆にオンライン英会話戦国時代かというくらい多くのオンライン英会話サービスがあり、どれを選べばいいか迷ってしまうほどです。
そんなわけで、海外でも受けれる大手オンライン英会話教室5つを比較してみました。
お薦め度 | 月額 | 無料体験 | 家族割 | 講師 | 営業時間 | 自習教材 | |
通常:6,480円 ネイティブ放題:16,280円 いずれも受け放題! | 7日間受け放題 | あり 二人目以降、月額1,980円 | 多国籍、ネイティブあり | 24時間 | 豊富 | ||
毎日1回:7,900円 毎日1回(ネイティブ):19,880円 | 25分×2回 | ない | 多国籍、ネイティブあり | 24時間 | 豊富 | ||
プラン次第 週2.5時間12か月契約で164㌦ | 紹介コードを使えば30分無料 | ない | ネイティブ100% | 24時間 | 豊富 | ||
月30回、11,980円 | 25分×2回 | ない | フィリピン | 24時間 | 豊富 | ||
毎日1回:7,980円 | 25分×2回 | ない | フィリピン、日本 | 6:00~翌日1時 | 豊富 |
この中で、私のおすすめは、「ネイティブキャンプ」。
つーか、私、今もやってますけど
毎日1レッスンは受けると仮定して、価格面で一番安いですし、他の会社が「1日1レッスン」となっているところ、「ネイティブキャンプ」は「レッスン受け放題」。
ど、どーなってんねん
私は赴任初期、「一刻も早く英語を喋れるようにならなければ!」との思い(焦り)から、週末に1日4時間レッスンを受けたりしていましたね(笑)。
オプションで「ネイティブ放題」のコースもあるので、アメリカ特有のアクセントを学びたい人にも最適です。
とはいえ、私が実際受講してみて、ネイティブキャンプを受講する上で気を付けないといけない点があります。
やる気が無いならやめとけ
と、言うのも、ネイティブキャンプは「レッスン受け放題」=「決まった時間にレッスンがスケジュールされるわけではない(レッスンの予約はできるが別料金)」という建付けです。
つまり、やるかやらないかはあなた次第。
うまいシステムを考えたなと思いますが、私の予想では契約しているけど1回もレッスンを受けない「幽霊会員」も相当いそうです。
やらなくても誰からも怒られませんし、催促される事もありませんからね。
人間、こういう環境に置かれると…
普通、サボる(笑)
そんなわけで、あなたが本気で勉強する気がないなら、私はネイティブキャンプはお勧めしません。
金をドブに捨てるだけ
ただ、「本気で英語を学びたい、何とかしたい!」と思っているなら、選ぶべきオンライン英会話は「ネイティブキャンプ」1択なのも間違いありません。
というか、どのオンライン英会話を選ぶにしても、本気じゃないと続かないですけどね。
私も日本で英語を勉強していた時は本気になりきれず、駐在になってから(=お尻に火がついてから)本気で英語に取り組んだクチです(笑)。
まとめ
今回は新任駐在員からの「駐在1年でどれくらい英語は成長するの?」という質問をベースに、私自身の経験や、これまで見てきた数多の駐在員のリアルな英語力をまとめてみました。
「もう、これくらいでいいか…」と思ってしまう時もありますが、せっかくの海外駐在なので、もう行き着くところまでいっちゃってください!
同じような境遇にいる同志として、あなたの海外での活躍を祈っています!
では、また。
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