こんにちは、みみたまボーイです。今回は海外に長期間住む日本人にとって提出義務のある「在留届」について。ついつい忘れがちな在留届を出すタイミング、出し忘れたらどうなるか、提出する事によるメリットまで、まとめています。では、いってみましょう。
在留届とは
そもそも在留届って何?
海外に3カ月以上滞在する人が提出する書類だよ!
在留届は、海外に3カ月以上滞在する人が大使館、または領事館に提出しないといけない書類。
なんと、提出の義務があります。
あなたが海外の特定の地域に住んでいる事を、日本大使館や領事館が把握するために必要なものです。
在アメリカ合衆国日本国大使館のHPより引用
- 旅券法第16条に基づき、外国に住所または居所を定めて3ヶ月以上滞在する在留邦人には、その住所や居所を管轄する日本の大使館・総領事館への在留届の提出が義務づけられています。
- 在留届は、海外で日本人が巻き込まれたことが危惧される緊急事態やその他の事件・事故が発生したときなど、大使館・総領事館が在留邦人の安否を確認し支援を行ったり、メールによる迅速な情報提供を行ったりする際に欠かせない資料です。また、在外選挙人名簿登録をする場合にも、在留届が必要になります。
義務です。しっかり提出しましょう!
在留届はいつ出す?
で、いつ出したらいいの?
住所が決まったら出してね!
在留届を提出するタイミングは、住所が決まってから。
駐在員の場合、赴任直後にホテルに仮住まいしている時は提出しなくて大丈夫です。家が決まったら提出しましょう。
と、いいつつ、海外に着いたら、仮の住所でもすぐ出す方がおすすめです(理由は後述)。
もし、3カ月以上ホテルに滞在する場合は、いったんホテルの住所で登録、住所決定後に届け出内容を変更しましょう。
在留届は、現地に到着し、3ヶ月以上滞在するための住所を定めた際にご提出ください。観光や短期出張など、3か月未満の滞在日程で当地を来訪される方は、在留届ではなく、「たびレジ」にご登録ください。
在アメリカ合衆国日本国大使館のHPより引用
仮住所でも先に在留届を提出するのがおすすめ
基本は現地での賃貸契約が終わって、住所が確定してからの提出で問題ないのですが、在留届を出すことによって大使館や領事館からの「重要なお知らせ」がメールで届くようになります。
みみたまボーイ赴任時は、特にCovid-19などで頻繁に入国条件なども変わっており、逐一最新情報を送ってもらえたのは非常に助かりました。
在留届はホテルの住所でも登録できますし、その後住所の変更も簡単にできますので、みみたまボーイのおすすめは「ホテルの住所でもいいので、すぐに登録」。
ただし、日本にいるうちから出すのはダメです。もし、移住先や到着日、住所がわかっていたとしても、ちゃんと現地に到着してから出しましょう。
海外に到着したら、まず在留届を出してしまいましょう!
在留届の提出方法
在留届はオンライン登録ができます。「在留届電子届出システム(ORRネット)」から提出してください。
オンライン登録する際に必要な情報は以下です。登録は5分くらいで終わります。
- パスポート
- 本籍地
- 自宅等連絡先(住所、電話、メールアドレス)
- 緊急連絡先(住所、電話、メールアドレス)
- 日本国内連絡先(住所、電話)
- 同居家族連絡先(携帯、メールアドレス)
なお、在留届は紙でも提出可能です。ORRネットから記入用紙をダウンロードして、管轄の大使館、または領事館に持参。でも、普通、オンラインで提出しますね。そして、オンラインの方がメリットがあります。
オンラインで在留届を出すメリット
2023年3月27日から、パスポートのオンライン申請が可能になります。
みみたまボーイの住むオレゴンでも在留届をオンラインで提出していれば、オンラインでのパスポート更新手続きなどが可能になります。
え、紙で出した人は?
なんと、紙で提出すると、こうしたオンラインでの領事手続きサービスを受けれません。
なんだとー!
そんなわけで、圧倒的にオンライン申請がおすすめです。
ちなみに、「すでに紙で出しちゃったけど…」という人も、電子化手続きができますので、管轄の大使館、総領事館に問い合わせてください。
もしくは、改めてオンラインで在留届を出すのが手っ取り早いです(新規登録)。外務省のホームページ(注意書)でも、新規登録して良い旨が記されているので、こっちの方がいいですかね。
- 在留届の提出はオンラインが絶対おすすめ!
- 紙で出してしまった人も電子化手続き可能(新規登録が楽)。
在留届を出し忘れたら?罰則は?
提出義務のある在留届。しかし、渡米直後で何かと慌ただしくしていると、ついつい忘れてしまう事があります。
やべー、提出、忘れてた
罰則はない!
提出義務はあるものの、罰則はありません。
質問(3):在留届の提出を怠るとどうなりますか?
在アメリカ合衆国日本国大使館のHPより引用
回答: 「在留届」が提出されていないと、現地の大使館・総領事館では、滞在している方の滞在の事実を知ることができません。
したがって、特に在留邦人が巻き込まれたことが危惧される事件・事故または災害等が発生した場合、「在留届」に記載された所在地や緊急連絡先の情報に基づき大使館・総領事館が行うことによる安否確認や、本邦留守宅への連絡を行うことができなくなります。Q&A
在留届を出さない事のデメリット
在留届を出さない事の最大のデメリットは、何かあった時に大使館、総領事館から迅速なサポートが得られない事です。
不測の事態にサポートが得られないと、最悪終わってしまいます。
その他、長く海外にいると大使館、総領事館に行く事は多々あります。
パスポート更新、戸籍謄本、婚姻証明書発行など。
そして、大使館、総領事館に行くと、よく聞かれるのが「在留届を出していますか?」。
「在留届を出していなかったために、手続きがスムーズにいかなかった」という話もありますので、提出義務を怠る事による時間のロスを発生させないためには、海外に住むことになったら必ず在留届は出しましょう。
罰則ないけど、提出しましょう!
在留届を出すメリット
在留届を出すメリットを列挙したいと思います。
- 緊急時の安否確認、連絡
- 地域の重要情報のシェア
- パスポート更新の電子申請が可能
- 在外選挙制度の申請ができる
- ジャパン・レール・パスが買える(在留期間10年以上で対象となる)
1.緊急時の安否確認、連絡
これが一番の目的。在留届を出しておく事で、万一、事件や災害に巻き込まれても、日本大使館、総領事館のサポートが得られます。
海外に住んでいて、一番の不安は、思わぬ事故、災害、事件に遭遇した時の対応です。
完全に英語や現地の言語で処理できる日本人がどれほどいるでしょうか。
そんな時、やはり頼りになるのが大使館、総領事館です。
大規模災害が発生した時に、大使館や総領事館の方は在留届のデータをもとに安否や支援を行います。
その意味で、在留届は非常に重要なものです。
必ず出しましょう!
もちろん、そのような事態にならない事が一番ですが、ここ数年でも新型コロナで中国の武漢市が封鎖された時、日本政府がチャーター機を使って邦人輸送をしていました。
これらも、全て在留届の情報をもとに動いています。
いつ、どんな事態が発生するかわかりません。
「備えあれば、うれいなし」と言うように、「自分は大丈夫」と思わず、きっちり対応しましょう。
2.地域の重要情報のシェア
在留届に登録したメールアドレスに、地域の重要情報が届きます。例えば、以下のような情報。
慌ただしく生活していると見逃しそうな情報もあるので助かります。
- 現地の事件、事故情報
- 気象情報
- デモ、ストライキ、訓練などに関する情報
- 国政選挙の公示・告示日、在外選挙の投票日や投票方法の案内
- 小中学生への教科書無償配布に関する情報
- 日本とアメリカの水際対策の最新情報(コロナ等)
- サル痘発生など、検疫上の有益な情報
もし不要なら配信停止を希望する事も可能です。
でも、せっかくの情報なので、個人的には、もらっておいて損は無いと思います。
3.パスポート更新の電子申請が可能
オンラインで在留届を提出しているとパスポート更新時に電子申請が可能になります(2023年3月27日以降)。
長く海外にいると、パスポートの更新は必ず発生するので、これは結構メリットですよ。
自分だけではなく、家族のパスポート更新とかも含めると、2年に一回くらいは発生しうる案件です。
4.在外選挙制度の申請ができる
海外に住んでいても、日本国籍を持つ18歳以上の有権者であれば、国政選挙に参加できます(衆議院選挙、参議院選挙)。
この選挙権を得るために、在留届の提出は必須です。
5.ジャパン・レール・パスが買える
なんだ、このマイナーメリットは!
主に外国人観光客向けのジャパン・レール・パスの購入が可能になるようです。ただし、在留期間が連続で10年以上という条件付き。
なげーよ!
これ、使える人、そんなにいないでしょ。
と、いいつつ、一応、メリットではあります。
帰国届も忘れるな!
みんな忘れる帰国届!
渡米する時は、事前に渡米後にやらないといけない事を注意して調べますが、帰る時はガードが甘くなりがちです。
在留届を出したという事は、帰る時には帰国届が必要です。こちらもオンラインで完結できるので、忘れずに帰国届も提出しましょう。
まとめ
在留届の提出は、3カ月以上海外に住む日本人の義務です。提出しておいて、損なし。しっかり提出しましょう!では、また。
10年前、右も左もわからぬ若造が、アメリカにやってきました。スムーズな生活立ち上げには程遠く、つまづきの連続、いや…全ての落とし穴に落ちた気もします。
しかし、失敗は隠せば汚点。共有すれば財産。
そんな思いで書いたこの体験談。これからアメリカで新たな挑戦の旅に出る、あなたのお役に立てれば、私はとても嬉しいです。
はじめてのアメリカ駐在 [たくみ]
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